kiyosatoの謎備忘録

探索が苦手な年配夫婦二人の謎備忘録です。

ミステリーが大好き、謎解きは周遊と宿泊謎が中心です。

遡行の記憶にて

遡行の記憶にて

参加日 :2022/8/12

制作  :カスタムプロジェクト

開催場所:コール田無

こちらの公演はネタバレ解禁になりました。
そのため今日の備忘録は一部ネタバレ内容が含まれ、そしてとても長いです。
お時間の無い方、長文が面倒な方はブラウザーをそっと閉じることをお勧めいたします。

一年前、一つの殺人事件が起き、私の親友は自殺をした。殺人容疑をかけられたまま。

思いがけず一年前にタイムスリープした私は殺人事件を防ぎ、親友の命を救わなければならない。

しかし過去を変えてもまた新たな殺人事件が起こってしまう。

タイムスリープのチャンスは四回。

限られたリープの中で私は真犯人を突き止めることが出来るのだろうか・・・・・・。

「それは悲劇だ。悲劇ですよ。

 人は未来を見ることは出来ないんだ。

 悲しいことにね」

※パンフレットより引用

夏のミステリー三昧がスタートです。

二年振りの「劇場」カスタムプロジェクトです!本当に楽しみで、楽しみで!

今回はいつもの仙川ではなく西武池袋沿線の田無駅での開催です。

翌13日は池袋ホテルメトロポリタンで三年振りのミステリーナイトも予約済み。そして12日の夜は回路Rさんの「本陣殺人事件」の生配信と、浮かれすぎてギューっと予定を詰め込みました。

一度家に帰って生配信を観て翌日池袋に行く・・・・面倒くさくない?と言う事で新宿プリンスホテルに泊まり生配信を観て翌日池袋に移動しました。まぁ~色々ありましたがそれはまた別のお話で。

 

新宿に着いてホテルに荷物を預けて田無に向かいます。開場時間ちょうどくらいにコール田無に着き受付を済ませます。

ところで、カスタムプロジェクトさんと言ったら色々なところに小ネタを仕込むことで有名です。そう、今回は受付から小ネタが仕込まれていました(笑)

「日付を勘違いしている人がいますご注意ください」

こんな感じの注意事項が受付のテーブルの上にありました。「こんな人いるの?」と不思議に思いつつ会場に入ります。席はコロナ対策で一つ置きになっています。なるべく全体が見渡せる後方の席に座ります。

さて、受付で渡された「見ていいよ」パンフレットを確認。裏面に登場人物、中は地図と主要建物の解説が載っています・・・コレは・・・絶対この地図は重要!解説のある建物の位置と内容を頭に叩き込みます。どうやら公衆電話がキーポイントになりそうです。

それと、やけに「〇〇年前は」の解説が多い・・・こういった書き方をしてあるのは、おそらくカスタムさんお得意の誤認をさせるためのポイントなのでは?

 

そして今回私たちが行う活動・ミッションが書かれていました。

1年前、1つの殺人事件が起き、私の親友は自殺をした。殺人容疑をかけられたまま・・・・・。
被害者は大学の鼠田先生。監視カメラに先生の死体を運ぶ親友の姿が映っていたというのだ。
でも、彼女が犯人だと思えない。
思いがけず1年前にタイムリープした私は、殺人事件を防ぎ、親友の命を救わなければならない。

鼠田先生を殺害したのは誰なのか?
殺害現場は?凶器は?
観客の皆様には、私と一緒に3つの謎を解き明かしてもらいたいと思います。
<兎見>

今回のミッションは殺害犯、殺害現場、凶器の特定との事。よっしゃ!頑張るぞ!

 

開演です。

いきなり「ノックスの十戒」が流れました。重要な頭4つを下記に載せます。

1.犯人は、物語の当初に登場していなければならない。
2.探偵方法に、超自然能力を用いてはならない。
3.犯行現場に、秘密の抜け穴・通路が二つ以上あってはならない。
4.未発見の毒薬、難解な科学的説明を要する機械を犯行に用いてはならない。

ノックスの十戒より引用

事件後入院していた兎見は退院をすることになった。そこに警察の「辰木」が現れて兎見を尋問し始めます。親友が犯人にされているのが納得いかない兎見、そこで現病院医師で元大学教授「鳥嶋先生」がリープ君を取り出しタイムリープをして事件を阻止するよう促されます。リープ君をセットして薬を飲みタイムリープ開始!

 

タイムリープ1回目

兎見がラジオの音で目が覚めると目の前に亡くなった鼠田先生とさっちゃんがいる。兎見がさっちゃんに「今はいつ?」と聞くと「元号が変わったばかり」と教えてくれる。リープ君で無事にタイムリープができたらしい。そして兎見はレンタルショップネオの袋を持っていて、中身は新作の「エイリアン」だそう。鳥嶋先生にタイムリープしたら犬飼先生の所に行くように言われていたので、犬飼先生の所に行き事情を話し協力を仰ぎます。

鼠田先生の殺害を阻止できるのか?鼠田先生は「巳波」と「虎地」とゲームをするために一緒にどこかに行ってしまいます。そしてパトカーの音が聞こえてきました。鼠田先生は殺害されてしまいます。

 

タイムリープ2回目(巳波の禁じられた遊び編)

巳波と虎地と一緒にゲームをするために別室に移動します。そこで行われたゲームは双六ゲームで偶数に止まると「楽しみマス」奇数に止まると「苦しみマス」。これがねぇ本当に嫌だった。爪をはがす、指を切る、熱々の天ぷら油に手を入れる。なんでこんなシーンが必要なの?前回の雪の密室殺人事件から残忍な演出が増えてゲンナリします。

鼠田先生はこのゲームを続ける・続けないで巳波ともめ巳波にナイフで刺されて亡くなってしまいます。ただ、実際の殺害方法は絞殺なので、これは間違った結末になってしまっています。

 

タイムリープ3回目(羊子たちの沈黙編)

巳波のゲームは偶数しか出ないサイコロ使う事で「苦しみマス」を避けて無事にゲームが終了になりました。

ホッとしたのもつかの間「羊子」が心酔している猪方の水晶玉に見えた絵をスケッチブックに描き起こす占いで鼠田先生が死ぬと出たため羊子は金属バットで襲い掛かり、鼠田先生が部屋に逃げ込むと火を放ち殺害をしてしまいます。そして、これも実際の殺害方法とは違うので間違った結末になってしまいました。

 

タイムリープ4回目(ラジオのお時間編)

羊子の件はスケッチブックを捨ててしまう事で描き起こしをできなくさせ無事に殺害を回避させました。

そして、やっと、やっと、事件当日の「猫柳祭」公開ラジオの生放送の場面になりました。正直ここまでで結構お腹いっぱい(笑)、そして、あちらこちらに散りばめられた、ある事を示唆する会話が気になって仕方ありませんでした。事件当日鼠田・ブラッドリ・緑郎が公衆電話からかけてきた内容がが明らかになります。

えーと、子供の頃に通っていた英語塾までは来たんだけどね、そこから薬局の方へ進んで、銀行に向かう。で、そこから学校の方へまっすぐ来て、通りを過ぎたあたりなんだけど。

この電話と地図を見れば先生が最後に行った場所が分かる!そしてそこが殺害現場!

 

出題パートが終了して推理タイムです。

さて、出題パートを観ている時から「ははぁ~ん、今回はこれを誤認させようとしているな」と思われる会話が多数ありました。出題パートはじめに「元号が変わったばかり」とありましたがこの元号は「令和」ではなく「平成」の事だなと。例えば「携帯が高くて買えない」「山手線内の土地代でアメリカが買える」「あつことゆうこ(W浅野)」などなど本当に数えきれないくらいありました。実は兎見は30年もの間入院していて、今を「平成」だと思っていたんですね。そう!受付にあった「日付を勘違いしている人がいますご注意ください」は兎見の事だったんです(笑)

 

そしてこの状況が「平成」だとすると、鼠田先生が子供の頃(50年以上前)に通っていた英語塾は「こしあん英語塾」ではなく現「シリウスビル」→30年前は「英語塾キャッツ」、銀行の先の小学校は現「大型駐車場」→30年前は「猫柳小学校」、30年前はマキビシモールが営業していたので公衆電話がある!

殺害現場は「マキビシモール」で決定、その近辺にいたのは「兎見(本人もその辺りにいた事を言っていました)」、そして凶器は兎見が持っていた「レンタルビデオテープ」、30年前のレンタルはまだビデオテープが主流でした。

ここまで、約5分。

あまりにも簡単なので「今回やけに簡単じゃない?」と夫に話しかけたら、「凶器が分からない」と言うので自分が書いた用紙を見せると「そうだ!まだそれだったね!」と解答用紙に書き込んでいました。様子見で少しのんびりしてから解答を提出。

 

解答編の上演です。

犯人・殺害場所・凶器、全て正解!(パフパフ!)

今回、鼠田先生は殺害された「緑郎」の息子「縁郎」でそれ以外は役者で全て演技でした。

タイムリープ睡眠薬を兎見に飲ませて翌日に同じことをしていました(テーブルの上の日めくりカレンダーがちゃんと更新されている芸の細かさ!)

ノックスの十戒を見ると「4.未発見の毒薬、難解な科学的説明を要する機械を犯行に用いてはならない。」とありますよね(笑)

 

殺害動機などは解決編では明かされませんでした。パンフレットには詳しく書かれていると思います・・・・なんと我が家パンフレット無のチケットを買っていました(泣)

今回、物販が無いので動機は永遠に分からずじまいになってしまいました(来年販売してください!)

 

正解者の発表です!

私たちの回は正解者7名!記念のキーホルダーは5つなので5名の名前が読み上げられます「やつがたけさん!」やったー!夫の名前が呼ばれました。私は5名から外れましたが家に2つあっても仕方が無いので良かったです。

 

しかし、正解者の少なさに驚いてしまいました。会場には50人近い人がいたと思います。それで7名。そう言えば会場にいるのは20代~30代の若い人たちが中心です。そうか・・・・若い子たちはビデオテープを触ったことが無いのかもしれない。アラフィフ、もうじきアラカンは平成小ネタが全て分かりましたが、そうだよね、平成元年だといま35歳でも0歳ですよね・・・・そりゃわからない(笑)

今回のカスタムさんは年寄りにアドバンテージがありました。ありがとうございます!来年は某009をオマージュした作品のようです。楽しみですね。