S.A.M.P!(Short.Act.Master.Pieces!)
参加日 :2022/5/21
制作 :兎団
開催場所:カフェ兎亭
ネタバレはありません。
雰囲気バレNGな方はブラウザーをそっと閉じることをお勧めいたします。
兎団のレパートリーには、30分程度の短編も多くあります。06・07年あたり、短編フェスによく参加していた頃の作品や、主催したミニ演劇祭”まめ芝。”のために書かれた作品、それらの中から3本を厳選し、いまの兎団が再演します。
それだけでは物足りないので、もちろん新作をプラス!まさに兎団の見本市。
上演する作品は、上演毎に入れ替わる「1上演に3本」。5本全てをご覧になりたいお客さまのために、”2回券”もご用意しました。
さて、気になるラインナップは…
06初演。エドガァ・アラン・ポォ「黒猫」を下敷きにしたホラー作品。
黒猫の瞳が、その男の精神と人生を狂わせる…
◇出演◇
清家忍、岩浦さち、mizuki、緋乃ほのか、加園陽一
◇上演パターン◇
《S》《M》
謎多き名画”BIANCO”。世界中を巡り巡っているこの絵が、東南アジアのある街にもたらしたエピソード。 ★新作★
◇出演◇
青山誠司、佐藤天衣、伊藤蘭香、柳橋龍、斉藤可南子
◇上演パターン◇
《S》《M》《P》
'14初演。「天才探偵兎乃狂四郎」シリーズ第一作。孤島で起きた殺人事件を、数学と心理解析の天才・狂四郎が鮮やかに解決!
◇出演◇
斉藤可南子、松尾武志、神野剛志、岩浦さち、mizuki
◇上演パターン◇
《S》《A》
狂四郎の相棒・藤田レインが初めて捜査に関わった事件。
一見無差別殺人に見えるその事件は… ★新作★
◇出演◇
柳橋龍、斉藤可南子、松尾武志、中込博樹、明智麻里子、清家忍、加園陽一、伊藤蘭香/香かをり(Wキャスト)
◇上演パターン◇
《A》《M》伊藤/《P》香
'16初演。過疎の町の寂れた天文台を舞台に、ある研究者の秘密と人生の決断をひそやかに描き出す。
◇出演◇
中込博樹、緋乃ほのか、mizuki、明智麻里子、青山誠司、松尾武志、香かをり、加園陽一
◇上演パターン◇
《A》《P》
■上演スケジュール《S》…「三つの手紙」「土砂降りの国」「車曳き」
《A》…「百貨店」「三つの手紙」「満月」
《M》…「百貨店」「土砂降りの国」「車曳き」
《P》…「土砂降りの国」「百貨店2」「満月」
※公式HPより引用
とっても久しぶりに兎団さんからアナウンスがありました。
今回は短編ものを3本セットで上演されると!
ほぉ~これは面白そうですね。
さてさてどのパーターンを観に行こうかな・・・まずは「新作」レイン登場は絶対外せない、それとやはり兎乃狂四郎も観たい。となると必然的に≪A≫パターンで決定です。
21日(土)19:30~の回を予約しました。
久しぶりの兎亭です。階段を下りて受付を済ませ席に移動します。今回も自由席なので一番前の二人掛け木製ベンチに夫と二人で座りました。が・・・・上演時間約100分。途中からお尻が痛くで辛くなりました(涙)
時間になり公演スタートです!そう「兎団恒例の・・・」今回も注意事項が替え歌になっていました。そしてその曲、聞いたことはあるけれども曲名が思い出せない。モヤモヤしていたら注意事項が終わってました(汗)
1つ目。
ある百貨店における完全犯罪?-レイン登場-
百貨店の日本酒試飲会で事件は起こります。試飲待ちの長い列、置かれたトレーから客が日本酒の入ったカップを取っていきます。途中でトイレに離れる人、後から列に戻る人、大行列の中、兎乃狂四郎も兄と一緒に列に並びます。なぜか別の場所で狂四郎と待ち合わせをしていた藤田レインも列に並んでいました。
そして試飲をしたある人が毒入りの日本酒を飲み死んでしまいます。これは無差別殺人事件なのだろうか?
ポン!ポン!ポン!と軽快に事件と推理が進んでいきます。ほうほう、アレがアレだからこうなって、コレがこうなるのね。ほぼアラカンのアラフィフはストーリーについていくのがやっとでした(笑)
でも内容は納得、久しぶりの狂四郎とレインに大満足です。
2つ目。
三つの手紙-天才探偵兎乃狂四郎-
狂四郎がレインに出会う前のお話です。母乞島で3人の遺体が発見されます。新婚旅行に来ていた神崎浩と妻の美樹、そこに何故か生保レディの伊東貴子も一緒に新婚旅行についてきていました。遺体が3つと警察に届いた第1の手紙、妻美樹が友人に送ったメール(第2の手紙)、その手紙の内容を確認すると遺体の現状と辻褄が合わなくなってしまいます。いったい誰が犯人でどうやって殺害したのか?
このお話は途中から「おそらくこういう事なんだろうなぁ」と思っていた通りの結末でした。ちょっと切ない気持ちになりましたね。
3つ目。
満月の停電した月蝕の夜に
このお話は推理物ではありません。自分は推理オタですが今回の公演でこのお話が一番印象に残り考えさせられる内容でした。
心の声の演出の仕方が秀逸でストーリーにドンドン引き込まれていきました。
あの人のあの決断は必然なのだろうけれどもやはりやるせない。
なんとなく有栖川有栖の小説「わらう月」を思い出しました。
演者との距離が短いミニシアター系(と言っていいのだろうか?)は面白い!
今回は一気に3本上演ととても贅沢な時間を過ごせました。
配信アーカイブのチケットが6/3まで販売しています。
興味のある方はポチ!と。