蜘蛛の巣(海外版)
参加日 :2021/3/13
企画・制作:劇団空感演人
開催場所 :Air studio(オンライン配信)
ネタバレはありません。
雰囲気バレNGな方はブラウザーをそっと閉じることをお勧めいたします。
クラリサは外交官の夫ヘンリーと、夫と前妻ミランダとの間に出来た娘ピパを引き取ってケント州のコップルストーン邸で平穏に暮らしていた。
ある日の夕方、クラリサは来客の1人と雑談中に「もしもある朝書斎で死体を見つけたら自分はどうするだろうか」という「空想ゲーム」について話す。
その後、ミランダの再婚相手のオリバーが自宅に立ち寄る。
そしてクラリサは帰ったはずのオリバーの死体を見つけることとなる―イギリスの女性推理小説作家アガサ・クリスティの戯曲。
オリジナルのコミカルな推理劇である。1954年に発表され、
上演回数774回のロングランを記録した。※Wikipediaより引用
またミステリーの演劇をやらないかなぁ~とエアースタジオさんのHPを覗いたら・・・
大好きなアガサクリスティの戯曲「蜘蛛の巣」の公演が載っていました!これは絶対に観たい!日本版と海外版があるうち海外版の配信チケットをポチッ。
まだ、会場で観劇するには気持ちのハードルが高いのでオンライン配信をしていただけるととても嬉しいです。
ちなみに私はストーリーを知っていますが、夫は全く知らないので内容については一切教えずに観劇してもらいました。
当日はワクワクしながらPCの前でお行儀よく開幕を待ちます。
劇の始まりです。
クラリサは再婚相手のヘンリーとその連れ子のパピの3人で暮らしており、ヘンリーの前妻ミランダもオリバーと再婚をしています。
ある日、ヘンリー宅にオリバーが現れパピの事でちょっとしたゴタゴタが起きます。クラリサはオリバーを諫めて帰ってもらい、パピを自室に連れて行きます。
その後、応接間に戻ると・・・なんと!オリバーが死体となって 転がっていました。
クラリサはこの状況から、ある事を推察して最悪の事態を回避しようと、とある行動を起こします。そして物語はいろいろな人を巻き込みながら混沌とした状況になっていきます。
オリバーは帰ったのではないのか? 誰がオリバーを殺したのか?
蜘蛛の巣の話は知っていますが、やはり本で読むのと演劇で観るのとは迫力が違いますね。アガサクリスティが得意とする、たくさんの小さな伏線や、誰かが誰かを思いやることで複雑化する人間関係が終盤に全てキレイに回収されるのは観ていてとても気持ちがいいです。
以前、ある演出家の方が「アガサクリスティの物語は精密に組み立てられているので、設定を変更するなどのアドリブを入れると全てがダメになる」とおっしゃっていました。
これ、アガサクリスティの本をよく読む人にとってはすごく納得のいくお話です。
登場人物が多く、その登場人物たちのほとんどが何かしらの秘密を隠している・・・こんなカオスな状況でも物語が破綻することなく、最後には全てキレイに落ち着くって本当にすごいですよね。
翌週もエアースタジオさんではアガサクリスティの戯曲を上演していました。ミステリ好きとしては嬉しい限りです。これからもエアースタジオさんのHPチェックは欠かせないですね。