夏空のプレアデス
作者:雨露山鳥
ネタバレはありません。
雰囲気バレNGな方はブラウザーをそっと閉じることをお勧めいたします。
「流れ星が降った夜、私の恋は始まった――」
オリヒメは、とある南の島に暮らす中学生のおんなのこ。満天の星の下、彼女の前に現れたのは 未来人を名乗る不思議な人物だった!
その人物――スバルとのデートを楽しみにしつつ、幼馴染みの同級生たちとの変わらない日常を過ごす少女。
しかしスバルが予言したとおりに、島に転校生がやってきたその日から、彼女の日常は少しずつズレ始める……これは読者への挑戦状。あなたは、この島の真実を見抜くことが出来ますか?
「東京大学謎解き制作集団AnotherVision」メンバー雨露山鳥さんの謎解きミステリー小説です。
以前から謎解きとミステリーはとても相性の良いジャンルなのでは?と思っていました。ほら、どちらも訳の分からない物を解きほぐす事が最大の楽しみになっていますからね。
アナビと言えば飛ぶ鳥を落とす勢いの謎解き集団です、そしてこの小説はそのアナビに在籍している学生さんが書いた「謎解きミステリー」なのです。
謎とミステリーがどのような感じで融合するのかとても楽しみにしていました。
ワクワクしながら本をめくります。
表題の次頁、プロローグを見て「ん?」ちょっとした違和感を覚えました。
まだ読み始めたばかりだし、また後で考えよう。
そして本章。
いやぁ~きついです。
ラノベ風の文体がまったく頭に入ってきません。
これが最後まで続くの?もう無理かも・・・・と思っていたその時「ある事」に気が付きました。
なるほどそう言う事?そこからは「ある事」に注意して読み進めたので、すんなりと頭に入ってきました。
これはネタバレになってしまうので詳しく書けませんが、小説をよく読んでいる方は、この小説全体にある「法則性」に気が付くのではないかと思います。
この法則性に照らし合わせるとプロローグの違和感もなんとなく解決します。
ある理由からこういった方法を取っているのだろう、そう思いながら第一回目を読破しました。
謎は少な目で "解けない勢" の私一人でも大丈夫なスタンダードな謎ばかりでした(ひとつ苦手な謎があって、それはバカみたいに時間がかってしまいました 汗)
2回目は法則性に則って、ある方法で読んでみます。
うん、なるほどね、きっとこういう事なんだろうなと推理をしてから最終章に進みます。
ほぼ正解でした。
一部なぜそれをしたのか考え切れていなかった部分もありましたが、小説全体にある違和感は思った通りの方法で解決でした。
う~ん、作家さんやタイトルを出してしまうとネタバレになってしまうので、何と言っていいのか難しい所ですが、ちょっと既視感のある小説でした。
謎解きミステリーの「謎解き」については、謎本のような普通の謎解きを期待すると肩透かしを喰らうと思いますが、この小説は全体を通して謎解きです。
是非それを味わってください。
「ミステリー」についてはゴリゴリの推理小説ではありません。
でも確かにミステリーではあります。
個人的には「謎解きミステリー」なかなか的を射た表現だなと感じました。
最後にいつもの癖で◯◯◯を◯◯◯したら…ゾワッ!怖いから!