kiyosatoの謎備忘録

探索が苦手な年配夫婦二人の謎備忘録です。

ミステリーが大好き、謎解きは周遊と宿泊謎が中心です。

映画 祈りの幕が下りる時

祈りの幕が下りる時

参加日 :2018/2/10

原作  :東野圭吾


ネタバレはありません。

雰囲気バレNGな方はブラウザーをそっと閉じることをお勧めいたします。

 

東京葛飾区小菅のアパートで女性の絞殺死体が発見される。
被害者は滋賀県在住の押谷道子。
殺害現場となったアパートの住人・越川睦夫も行方不明になっていた。
やがて捜査線上に浮かびあがる美しき舞台演出家・浅居博美。
しかし彼女には確かなアリバイがあり、捜査は進展しない。
松宮脩平は捜査を進めるうちに、現場の遺留品に日本橋を囲む12の橋の名が書き込まれていることを発見する。
その事実を知った加賀恭一郎は激しく動揺する。
それは失踪した加賀の母につながっていた――。
加賀恭一郎 "最大の謎" がついに明らかに。

 

新参者シリーズの最終話です。

このシリーズはTVドラマからずっと見ていた、お気に入りのドラマだったので、これがラストのストーリーか・・・そう思うと感慨深いものがあります。

 

今回は殺害事件の解決はもちろんですが、恭一郎に関する「なぜ?」が全て回収されています。

恭一郎が日本橋署から異動しない理由。

父親との確執。失踪した母親のこと。

それらが事件の解決と共に明らかにされます。

 

内容を書くとどれもネタバレになりそうなので、とても印象に残ったシーンを。

 

 まずは、浅居博美(松嶋菜々子)と加賀恭一郎(阿部寛)が博美の赤い壁の部屋で対峙するシーンは圧巻でした(予告編で流れているあの部屋です)

失礼な話、松島菜々子さんてこんなに演技上手だったっけ?と思ってしまいました。唇の震え一つで感情を表現できるって凄い。

 

そして、博美の行方不明になっていた母親が〇〇なままである意味良かった。下手に改心などされたら博美の悲しみや憎しみの感情のぶつけ所が無くなってしまいそう・・・母親は因果応報です。

 

今回もっとも印象深かったのが、博美の子供時代を演じた桜田ひよりさんの演技です。ストーリー全体のキーポイントとなる部分を演じているのですが、本当に凄い!観ていて感情移入しまくりです。トンネル内の父親とのシーンはの涙なしには見られませんでした。

 

事件がすべてが明らかになった後、加賀恭一郎が色々な感情を内包した、なんとも言えない表情みせます。母を思い愛おしそうにあるものを抱きしめる姿は切なくなりました。

 

エンドロールにTVシリーズの懐かしい俳優が出ていて同窓会のよう、ラストこのシーンでほのぼのとした気分になりました。

もしこれが重たい内容の映画を観て、沈んだ気分の観客の心を軽くするための演出だとしたらやるな監督!ですね。